死んでも記憶を残したまま生まれ変わる特異な体質の持ち主ハリー・オーガストの数奇な物語。
生まれ変わると言っても、死んだその瞬間から新たに誕生する訳ではなく、生まれた時代に戻って同じ人生をやり直すといういわゆるループ(リプレイ)もの。

タイトルに「15回目の人生」とある通り、1回目普通に生まれ普通に最期を迎え、2回目初めてのループを体験し、3回目からしばらく特異体質に悩み苦しみ、以後15回目の人生の時に何かが起こるわけです。
その何かとは世界の破滅を防ぐこと。正直世界の破滅自体はどうでもいいような気がしていて、 100年単位の時間をかけた詰将棋みたいな駆け引きが面白い。
あとは同じ人生を何度も繰り返さなきゃならない人の物の見方や考えの描かれっぷりがとても丁寧に書かれていて新鮮。壮大でもありしょうもなかったりもするし、悲劇かと思いきや喜劇でもあったり。

久々に派手じゃなく面白い(1900年代初頭からの話なので基本未来っぽいメカとか出てこないのだけど)SFを読んだ。
表紙のイラストも惹きつけられるものがあるし、何よりタイトルがいい。(原題はThe First Fifteen Lives of Harry August

ハリー・オーガスト、15回目の人生 / クレア・ノース