夏がとまらない、がとまらない夏

以前からTwitterでフォローはしていて、アップされる1ページ漫画に尋常じゃない面白さを感じていた、藤岡拓太郎さん初めての単行本。 基本的には、頭のおかしいキャラクター(大体おっさん)が気持ち悪い言動繰り広げる、といった内容です。 控えめ…

蜜蜂と遠雷 / 恩田陸

すでにうっすらと大御所感すら漂っている印象すらある恩田陸さん、この度、第156回直木三十五賞を受賞したそうでおめでとうございます。それこそ10代の頃から読んでいる一読者として感慨深い。 その直木賞を受賞した作品が、このたまたま読み進めていた…

テロ / フェルディナント・フォン・シーラッハ

戯曲の体裁をとった、「犯罪」のフェルディナント・フォン・シーラッハの新作小説。 2013年7月26日、ドイツ上空で旅客機がハイジャックされた。テロリストがサッカースタジアムに旅客機を墜落させ、7万人の観客を殺害しようと目論んだのだ。しかし緊…

コールド・スナップ / トム・ジョーンズ

トム・ジョーンズ自体初めて読むのに、ずいぶんトリッキーな本から始めてしまった。 と言うのも、翻訳を担当したのがあの舞城王太郎(しかも初翻訳)だと。トム・ジョーンズの作品なのか舞城王太郎の作品なのか区別がつきません。ハイトーンなドライブ感がや…

ウインドアイ / ブライアン・エヴンソン

前作「遁走状態」に続き、ブライアン・エヴンソンと柴田元幸という安定感たっぷりのコンビによる短篇集。 同じ短篇集ということで「遁走状態」から引き継いでいるもののは多いものの、より寓話性が増したように思う。恐怖とか怖ろしさのテイストが薄まって、…

ハリー・オーガスト、15回目の人生 / クレア・ノース

死んでも記憶を残したまま生まれ変わる特異な体質の持ち主ハリー・オーガストの数奇な物語。生まれ変わると言っても、死んだその瞬間から新たに誕生する訳ではなく、生まれた時代に戻って同じ人生をやり直すといういわゆるループ(リプレイ)もの。 タイトル…

服従 / ミシェル・ウエルベック

本屋で見かけて装幀の佇まいになにか惹かれるものを感じ、初めてみる作者だったけど読んでみることに。(毎度毎度のことだけど、図書館で借りてきた本なのがね…) 遠くない未来2022年のフランスでイスラム政権が誕生する、というのが限りなく短くしたあ…

火星に住むつもりかい? / 伊坂幸太郎

サブマリンに続いて2冊連続の伊坂幸太郎。 読み始めてからしばらくして感じたのは、軽い感じのタイトルに騙された…という気持ち。前知識も全くなく、別に何か想像しながら読み始めたわけじゃないけど、これは今までにない感じの作品になっていると思った。…

サブマリン / 伊坂幸太郎

家庭裁判所の調査官を主人公にしたチルドレンの続編、サブマリンを読んだ。 かなりアクの強い上司の陣内が異彩を放ってるこのシリーズ。個性的なキャラクターが多く登場する伊坂作品の中でも、陣内は特にキャラが濃い。 ファンタジー要素はなく、劇的な展開…

火花 / 又吉直樹

第153回芥川賞受賞作品の「火花」をやっと読んだ。 読み始めてすぐに、これはまずい、と思った。すごく堅苦しい言い回しで文学然とした気取った文章が鼻についたから。でも読み進めていくうちに少しずつ冒頭で感じた違和感は薄まっていき、気付いたら話に…

消滅 / 恩田陸

ブラック・ベルベット以来1年弱ぶりくらいに読んだ恩田陸。 それぞれの渡航先から帰国した性別も年齢もバラバラの11人。なぜか入国審査で止められ別室へ連れて行かれ、この中にテロリストがいるという理由で軟禁され、挙句には台風で空港が封鎖されてしま…

学力の経済学 / 中室牧子

人並みに子供の教育について考えたりもするもので、巷で話題になっているらしいと気になってたので読んでみた。以下、備忘録的にざっくりかいつまんで要約。 教育経済学に基づく、より費用対効果の高い教育とは 東大生の親の平均年収は約1000万円 文部…

異類婚姻譚 / 本谷有希子

第154回芥川賞を受賞した作品、いるいこんいんたん。 本谷有希子の作品はほとんど全部読んでるけど、だいぶ変わられたなぁという印象。結婚して子供を産んで、それだけのことがあれば書くものも変わるのが自然なんだろう(関係ない、かもしれない)。 心…

アメリカ最後の実験 / 宮内悠介

盤上の夜、ヨハネスブルグの天使たち、に続いて読んだ宮内悠介作品。 失踪した父を探して難関音楽学院を受験する脩。そこで遭遇する連鎖殺人。謎の楽器“パンドラ”。“音楽”は人をどう変えるのか。才能に、理想に、家族に、愛に―傷ついた者たちが荒野の果…

未成年 / イアン・マキューアン

信仰を理由に輸血を拒む未成年の少年と、その少年の命を委ねられた女性裁判官、二人を中心に話しが展開していく。こう聞くだけで読んでみたくなるけど、それだけで終わる話じゃなかった。 ある日突然急性白血病になってしまった、成人と見なされる年齢である…

あこがれ / 川上未映子

川上未映子、ひさびさの長編小説。想像からは大きく外れたジュヴナイル感たっぷりの話しだった。 もう少しで卒業という小学6年生の男の子麦彦と女の子ヘガティーのほろ苦いと言っていいのか甘酸っぱいと言っていいのかわからないけど、まあそう、日常を描い…

Sunny / 松本大洋

IKKI COMIXで連載している松本大洋の漫画Sunnyが遂にと言うかもうと言うか完結した。 様々な事情で親と一緒に暮らせない子供たちが共同で暮らす施設が舞台の話し。そこでは普通の子(とは?)以上にたくさんの困難に理不尽にさらされる子たち…

本を読むときに何が起きているのか / ピーター・メンデルサンド

装丁家として活躍するピーター・メーデルサンドが「本を読む」という行為について独自の表現でまとめた本です。 と言っても具体的な内容が浮かばないと思うんですよね。ここでamazonの解説文を引用すると、 本書は、アメリカの老舗出版社クノッフ(K…

止まりだしたら走らない / 品田遊

一見すると素通りしてしまいそうですが、どこかおかしいタイトルです。 なんでもTwitterとかそこら界隈ではダ・ヴィンチ・恐山という名前で有名な方だそうで(知らなかった)、ウィットの効いたタイトルとビビッドな装丁が気になって読んでみました。…

過ぎ去りし王国の城 / 宮部みゆき

インパクトのある表紙が特徴的な宮部みゆきの最新作、過ぎ去りし王国の城を読んだ。 少し前にネットで話題になった黒板アートの女子高生がカバー・挿絵のイラストを担当している。一枚の絵を中心に進んでいくストーリーということを考えても、かなりの大抜擢…