第154回芥川賞を受賞した作品、いるいこんいんたん。

本谷有希子の作品はほとんど全部読んでるけど、だいぶ変わられたなぁという印象。結婚して子供を産んで、それだけのことがあれば書くものも変わるのが自然なんだろう(関係ない、かもしれない)。

心の嫌な部分というか表に出て来ない部分、その場所は変わってないけどえぐり方がゆっくりマイルドになった。印象はかわったけどそこはさすが本谷作品!て感じでやっぱり面白い。気持ち悪いんだよね。

ん?と引っかかってしまったのは男の人の描き方。誰かではあるはずなのに誰でもないような、頭の中で形が定まらずふわふわしたまま話しが終わってしまった。圧倒的に女性の目線で感情を書いてきた今までと比べて、かなりトーンを落として描かれているので、その分大きくなった男性の割合にもやもやしてしまった。

大きな賞を取ってしまうとより色んな人が手に取るようになって、その結果ネガティブな感想も多くなるんだろうと思う。けど、次の作品も楽しみ。

異類婚姻譚 / 本谷有希子