いきなりタイトルから唐突すぎて困惑されてる方ばかりかと思いますが、今回もニッチなテーマで進めていきます。いやススメていきます。

ウエストレベルファインダーのカメラで撮った写真を散りばめながら、オススメポイントなどを。(フィルムカメラの話しです)

ウエストレベルファインダーって?

一眼レフを使う時、自分の目線の高さに持ってきたアイピースを覗き込むタイプのアイレベルファインダーを使っている人がほとんどだと思います。

レンズを通り、ミラーを反射して、プリズムを通った像を見るのがアイレベルファインダーです。プリズムを通さずに、スクリーンに映した像を見るのがウエストレベルファインダー。ざっくりな説明だとそんな感じです

一時期話題になった動画なので見たことがある人もいるかも知れません。バケペンこと中判一眼レフのPentax 67のファインダーを通して、パリの街並みを映した動画です。ここで使われているのがまさにウエストレベルファインダーです。腰の高さで使うのでウエストレベル

フォーマットがロクナナなのでスクリーンが大きいですね。迫力があります。

とにかくスクリーンが綺麗

スクリーンを覗いたことのある人なら納得してもらえると思いますが、とにかくそこに映る像の美しいこと。。浮かび上がってくるような立体的な見え方と、光をそのまま覗いているようなキラキラした感じは何とも表現に困ります。見てるだけでうっとりします。

軽くて省スペース

ガラスの塊であるペンタプリズムを使わない分、軽くなります。増えるのは畳めるフードとルーペくらいなものなので、体積も減ります。
バケペン使いたいけど重さが…って人はウエストレベルを使ってみるのも手かもしれません。

こどもの目線で撮れる

自分にとってはこれが一番大きいです。
こどもを撮る時って、やっぱり目線を同じ高さにして撮りたくなります。バリアングルな液晶画面がついてるデジカメなどはさておき、一眼レフやレンジファインダーを使っていて目線をもっと下げたいけど下げられない…という事が自分はよくあります。

そんな時に自然に目線を落とせるのがウエストレベルファインダー。どこまでも落とせます。地面に置いてもファインダーがよく見えます。

前ボケが効果的

地面や床を前ボケとして使えるというのを写真を見ながら今思い付きました。前ボケと後ろボケに挟まれて被写体がいい感じに強調される効果を発見。

そこでハッセル

そう、ここでオススメしていきたいのがハッセルブラッドです。プリズムファインダーを使う事も出来ますが、断然ウエストレベルでしょう!と思います。佇まいがかっこいいですし。

ローライフレックスやオートコードなどの二眼レフもかっこいいですけどね!

一応デメリットなども…

大きいのが三つあります。

像が左右反転する

像がレンズを通ると上下左右が反転します。ミラーに反射させると上下は元に戻るけど左右は反転したままです。
鏡像を見て構図を決めるのはなかなかに難しく、慣れが必要です。(右に振ると像は左へ、という感じで混乱します)

露出計が使えない

ただスクリーンがあるだけなので、露出計はありません。数値を表示する機構もありませんしね。
単体露出計を使うか、勘…ですね。(自分は大体勘です。。ネガのラチチュードに感謝。。)

物理的に難しいシチュエーションがある

これは上で出た「こどもの目線で撮れる」と対をなすネガティブな面で、ファインダーを上から覗き込むのがきつい状況があります。

例えば、自分の胸元まで柵があって、柵を超えて向こうを撮りたいというシーン。アイレベルファインダーなら何の問題もないシーンですが…無理ですね。 頭が出ててもファインダーを覗き込めないので。(カメラを逆さにして、ファインダーを頭の上にもってくるというのはやったことがありますが…体勢が…)

中判カメラのMamiya RZ67を常用している市橋織江さんも以前インタビューでこんな事を仰ってます。

乗ったまま撮れればいちばんいいですね。そんな楽な事はない。降りないと撮れない。私のカメラは特に上からのぞくから車の窓から撮れないんです。何度もやろうと試みてるんですが。

オープンカーで立ち上がれば撮れます。普通に座ってると、力メラのレンズ位置がこの辺だから、全然窓の位置に足りない。で、しかも車とかだと頭がつっかかる。本当は流し撮りとかしたい。車の中から撮れたら楽だなあ。

これは切実ですね。。それでもRZ67にこだわり続ける市橋さんがすごいとも思えますが。
あ、RZ67で思い出した。もう一つありました。

縦構図が撮りづらい

縦も横もない正方形のフォーマットでは関係ない話しですが、カメラを90度傾けるとファインダーを覗くために自分も上から見て90度移動しないといけないです。
(RZ67にはフィルムバックを回転できるリボルビングシステムがついてる)

でも、他にもいいところはたくさん

両手で包み込むように持つので、重たい中判カメラでも安定してホールドできるとか。直方体な筐体の佇まいになんか癒やされるとか。(主にハッセルとか二眼の話し)
被写体と目を合わせないので威圧感を与えずに撮れる、とかもよく言われますね。

他にもいいところがたくさん!なウエストレベルファインダーに目覚めた方、こちらも併せてどうぞ!

Hasselblad 500C/Mで撮るポートレート