映画化されたこともあって、今かなり話題になっている小説。「82年生まれ、キム・ジヨン」という固有の人物の話しではあるのだけど、世界中すべての女性についての話しでもある。要所要所で統計データが挟まれていて、小説の体をとったノンフィクションのような印象を受けた。

未だに残る家父長的なシステムや日常的に抑圧され続ける立場の女性、という状況は隣の日本も同じようなもので、共感せざるを得ない。実際の統計から1982年生まれの女性で一番多い名前を主人公の名前にしたり、夫以外の男性に名前をつけていない点もなかなか面白い。

気になって映画のPVを観てみたところ、どうも原作とは違った雰囲気で作られているようで、そうなるの…という感じ。「あなたは一人じゃない」とか感動させるニュアンスは小説とはかなり違った方向で作られたのかな…。