サブマリン / 伊坂幸太郎
家庭裁判所の調査官を主人公にしたチルドレンの続編、サブマリンを読んだ。 かなりアクの強い上司の陣内が異彩を放ってるこのシリーズ。個性的なキャラクターが多く登場する伊坂作品の中でも、陣内は特にキャラが濃い。 ファンタジー要素はなく、劇的な展開…
火花 / 又吉直樹
第153回芥川賞受賞作品の「火花」をやっと読んだ。 読み始めてすぐに、これはまずい、と思った。すごく堅苦しい言い回しで文学然とした気取った文章が鼻についたから。でも読み進めていくうちに少しずつ冒頭で感じた違和感は薄まっていき、気付いたら話に…
消滅 / 恩田陸
ブラック・ベルベット以来1年弱ぶりくらいに読んだ恩田陸。 それぞれの渡航先から帰国した性別も年齢もバラバラの11人。なぜか入国審査で止められ別室へ連れて行かれ、この中にテロリストがいるという理由で軟禁され、挙句には台風で空港が封鎖されてしま…
学力の経済学 / 中室牧子
人並みに子供の教育について考えたりもするもので、巷で話題になっているらしいと気になってたので読んでみた。以下、備忘録的にざっくりかいつまんで要約。 教育経済学に基づく、より費用対効果の高い教育とは 東大生の親の平均年収は約1000万円 文部…
異類婚姻譚 / 本谷有希子
第154回芥川賞を受賞した作品、いるいこんいんたん。 本谷有希子の作品はほとんど全部読んでるけど、だいぶ変わられたなぁという印象。結婚して子供を産んで、それだけのことがあれば書くものも変わるのが自然なんだろう(関係ない、かもしれない)。 心…
アメリカ最後の実験 / 宮内悠介
盤上の夜、ヨハネスブルグの天使たち、に続いて読んだ宮内悠介作品。 失踪した父を探して難関音楽学院を受験する脩。そこで遭遇する連鎖殺人。謎の楽器“パンドラ”。“音楽”は人をどう変えるのか。才能に、理想に、家族に、愛に―傷ついた者たちが荒野の果…
未成年 / イアン・マキューアン
信仰を理由に輸血を拒む未成年の少年と、その少年の命を委ねられた女性裁判官、二人を中心に話しが展開していく。こう聞くだけで読んでみたくなるけど、それだけで終わる話じゃなかった。 ある日突然急性白血病になってしまった、成人と見なされる年齢である…
あこがれ / 川上未映子
川上未映子、ひさびさの長編小説。想像からは大きく外れたジュヴナイル感たっぷりの話しだった。 もう少しで卒業という小学6年生の男の子麦彦と女の子ヘガティーのほろ苦いと言っていいのか甘酸っぱいと言っていいのかわからないけど、まあそう、日常を描い…
Sunny / 松本大洋
IKKI COMIXで連載している松本大洋の漫画Sunnyが遂にと言うかもうと言うか完結した。 様々な事情で親と一緒に暮らせない子供たちが共同で暮らす施設が舞台の話し。そこでは普通の子(とは?)以上にたくさんの困難に理不尽にさらされる子たち…
本を読むときに何が起きているのか / ピーター・メンデルサンド
装丁家として活躍するピーター・メーデルサンドが「本を読む」という行為について独自の表現でまとめた本です。 と言っても具体的な内容が浮かばないと思うんですよね。ここでamazonの解説文を引用すると、 本書は、アメリカの老舗出版社クノッフ(K…
止まりだしたら走らない / 品田遊
一見すると素通りしてしまいそうですが、どこかおかしいタイトルです。 なんでもTwitterとかそこら界隈ではダ・ヴィンチ・恐山という名前で有名な方だそうで(知らなかった)、ウィットの効いたタイトルとビビッドな装丁が気になって読んでみました。…
過ぎ去りし王国の城 / 宮部みゆき
インパクトのある表紙が特徴的な宮部みゆきの最新作、過ぎ去りし王国の城を読んだ。 少し前にネットで話題になった黒板アートの女子高生がカバー・挿絵のイラストを担当している。一枚の絵を中心に進んでいくストーリーということを考えても、かなりの大抜擢…
ザ・サークル / デイヴ・エガーズ
本屋の平積みで目に入った表紙が気になって、パラパラめくってみたら面白そうだったので(結構厚めだけど)読んでみた。以下軽いネタバレなどもあるかも。 ごく近未来、インターネット・カンパニー、サークルが提供するソーシャルネットワークサービスが広く…